ゆのくに天祥 卓越した差圧制御とセンサで快適を守る

Overview_TEXT

要旨

お客様の快適さを目標に拡大と充実を図ってきた温泉施設。24時間稼働する巨大施設の省エネのために、まず導入したのは、誰にも分かりやすく省エネが「見える」こと。その一翼を担ったのが、日本で初めて採用された制御と小さなセンサでした。

 

石川県、金沢駅から特急列車で約25分の距離にある加賀市、加賀温泉駅。そこは初夏になお頂に雪を残す霊峰白山(はくさん)を望み、3つの温泉地が肩を並べる温泉郷です。その一つ、開湯1,300年の歴史を持つ山代温泉は九谷焼の故郷でもあり、遠い昔には戦国武将、明智光秀が湯治に訪れたといわれ、また数々の文人墨客が好み、かの北大路魯山人が足繁く通い滞在した地でもありました。ゆのくに天祥は、山代温泉郷の中でも大型の宿泊温泉施設。昨年(平成31年)に創業55周年を迎えた老舗です。山代の引湯源泉はもちろんのこと、平成24年11月には自家源泉を開湯し、豊富な湯量と鮮度を誇っています。総面積2万7千平方メートル(約8,500坪)という広大な施設には「悠幻の湯殿」「滝見の湯屋」「九谷の湯処」という趣向の違う大浴場三湯を抱え、それぞれにテーマを持つ合計18種もの湯船を、男女時間帯入替えで楽しむことができます。浴場の他にも、地元の料理はもちろん趣向を凝らした味わいを楽しめる8つの食事処、小グループから最大400名収容可能な大小の宴会場や会議場、山代の夜を楽しめるバー&ラウンジがあり、夏場にはウォータースライダーを備えたガーデンプールで遊ぶこともできる、至れり尽くせりのおもてなしを展開しています。

 

きっかけは東日本大震災
不可欠と提案した「見える化」

「客室、お食事処を含めたパプリックスペースは毎年改装しています。施設、設備への投資は、お客様満足度アップのためですし、収益につなげるためにも必要な投資だと考えています」と語ってくれたのは、ゆのくに天祥、代表取締役社長の新滝さんです。もともとエネルギーに関する興味が高く、既存設備への課題も感じていたといいます。「設備への新たな投資を決めたきっかけは、やはり東日本大震災です。エネルギーに関わるニュースを聞くにつれ、省エネに対する取り組みは不可欠と感じました。いま振り返ると、既存の設備はすべてオーバースペックだったと思います。動力系などは、お客様がいらっしゃらなくても動きっぱなしというようなロスがありました」そこへ省エネの提案を行ったのが、株式会社エオネックス、ジオエネルギー事業部、営業部、営業グループの酒井さんと、設備職人 棟梁の徳丸さんです。それは、設備交換だけを提案するものではなく、まず「見える化」することによって現在のエネルギーの使い方を把握し、データを見るだけで無駄が良くわかるようにしましょうというプレゼンでした。当初、「見える化」だけ実行しても本当の意味での省エネになるのかという疑問もありました。しかし二人は、まず現状を知ることが大切と提言。当時の公的な助成もあり、まずBEMS( ベムス: Building Energy ManagementSystem)を導入し、防災センターに中央制御システムを組みます。これにより館内の水、電気、重油といった、水・光・熱のエネルギーの動きを系統ごとに数値で把握できるようになりました。すると、どこに課題・問題があるのか、実際に見え、把握できるようになったのです。「設備が老朽化することでて出てくる不具合もさることながら、運用・運転することにおいての良さ、悪さが見えてきました。それまでは、電気量、重油の経費などはトータルな数値として『多い・少ない』を見ていただけでしたが『見える化』を実施したことで個々に、細かく分析できたのです。その結果を踏まえて、ロスの多い機器の更新を継続し、その都度、運用の見直しができるようになりました」と新滝社長。「見える化」の導入から運用改善や効果的な設備投資を続けていることもあり、エネルギーを大きく削減でき、環境貢献やお客様サービスの向上にもつながっているのです。

 

情報共有と状況把握
お客様にもスタッフにも満足を

約8年前に「見える化」を導入して以降、データ情報は運用改善に加え、メンテナンスや設備更新の際にも活かされています。その基本となるのが、社長をはじめ施設管理部の担当者および関係部署のスタッフと、メンテナンス担当の関係各社を交え、毎月開いている「エネルギーミーティング」です。そこでは数値、運転パターンなどが詳細にまとめられたレポートが提出され、無駄の発見や新たな改善に関する運用方法などの検討材料となっています。機器の更新をする際には運転データを分析し、必要な際には個別の計測診断を実施。得られた情報を基に、設備が最適なスペックとなるよう見直すようにしているのです。「ほとんどの場合、既存よりも性能の小さな機器への更新となるので費用が安くでき、その後の運用費の削減にもつながっています」と説明してくれたのは、徳丸さんです。「最も重要な事例が、館内に広く温水を循環させるHydoro MPCに試験導入した差圧制御システムです。ゆのくに天祥ほどの施設規模になると熱需要も大きく、また熱負荷変動も大きくなります。以前は最大熱需要に合わせた大きなポンプが使われ、負荷にかかわらず常時一定流量を循環させていました。この無駄を改善するためHydoro MPCを導入。しかし通常の圧力制御では効果が少なく、当時のグルンドフォス担当者に相談し差圧制御(注1)に変更したのです。一般的な給水システムとは違い、密閉システムでのポンプ制御は吐出側の圧力と戻り側の圧力の差圧でポンプの制御を行うことが重要です。導入後はポンプの電力がなんと10分の1にまで削減でき、さらに無駄な循環が減った分、温水製造に使われる燃料も削減できて効果は絶大でした」と、笑顔がこぼれます。海外では広く採用されている差圧制御ですが、日本国内でこの制御方式をHydoroMPCで設定したのは、ゆのくに天祥が初めての事例。グルンドフォスポンプの差圧センサ(注2)も初めて導入され、良い実例、実績となりました。「社長をはじめスタッフの方々の省エネへの意識も高く、無駄の削減と改善の成果につながっていますね」と話すのは酒井さんです。「経済性はもちろん、優先順位をしっかりと踏まえて提案するためにも、関係企業との協力と連携を深めることが大切だと感じます。そして省エネは重要ですが、施設サービスの質は落とさないのが大前提です。今後も、ゆのくに天祥の方々が考えていらっしゃることを実現できるよう相談をしつつ、期待に応えたいです」と、より良いコミュニケーションづくりへの姿勢にも余念がありません。最後に新滝社長は「省エネの基本にあるのは、お客様の満足度アップ。さらに接客業として、設備・環境面、現場の働きやすさも進化させていき、スタッフの満足度を上げることが、お客様の満足度を上げることになると考えています」と語ってくださいました。ゆのくに天祥では、省エネのための情報共有を怠らず、知識を積み上げ、どのスタッフでも分かりやすいシステムであるよう環境整備・改善を継続しています。そのすべてが「見える化」から始まりました。そこには、携わる人々全員の意識の進化が感じられます。その中で、グルンドフォスの小さなセンサが大きな施設の重要な支えとなっていることを自信に、これからの設備更新でも活躍したいと思います。

 

(注1)HydroMPCは圧力一定制御以外にも差圧、温度、流量などの制御機能を内蔵
(注2)差圧センサを含むグルンドフォスダイレクトセンサは世界累計220万台を出荷

主題:

自動給水ユニットHydro MPC、差圧センサ:DPI、単段うず巻ポンプTP、直動式片吸込みポンプNBG、立形多段うず巻ポンプCRNE、温泉用深井戸水中ポンプSP

場所:

日本

会社名:

ゆのくに天祥

P7

九谷焼の美しい「五彩」の絵皿を壁面にあしらった情緒あふれる「久谷の湯処」

ポンプ

約90%ものポンプ電力低減に貢献した差圧制御の制御盤と小型でも大きな役割を担うセンサ

P7_3

施設内で多様に活躍するグルンドフォスのポンプ

Contacts_TEXT

お問い合わせ

問い合わせがございましたら、下記フォーマットに内容をご入力の上、送信ボタンをクリックしてください。

電話番号

053-428-4760

FAX

053-428-5005

ウェブサイト

http://jp.grundfos.com

お問い合わせ

問い合わせがございましたら、下記フォーマットに内容をご入力の上、送信ボタンをクリックしてください。

電話番号

053-428-4760

FAX

053-428-5005

ウェブサイト

http://jp.grundfos.com