資源循環型の工場運営を支える グルンドフォスの給水ユニット

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要旨

1916(大正5)年、宮崎県の南西部に位置する都城市で産声をあげた霧島酒造株式会社。全国的に高いシェアを誇る「黒霧島」をはじめとして、「霧島」の名を冠した焼酎のラインナップは数多くのファンを持ち、その人気は衰えることをしりません。創業から96 年という長きにわたって継承されてきた伝統と技術を有する焼酎づくり。その影の立役者として活躍しているのが、グルンドフォスの給水システムです。

 

東に霧島鰐塚山系、北西に高千穂峰を仰ぎ、三方を山に囲まれた広大な都城盆地。その中央に位置する都城市は、宮崎県内で第2の人口を擁し、南九州の産業や経済の拠点都市としても発展を遂げています。発展を支える要素の一つが、市域中央を流れる大淀川。鹿児島の中岳に発し、宮崎平野を流れて日向灘に注ぐ大淀川には、途中いくつもの支流が合流し、豊富な水資源を地域にもたらしています。

霧島酒造も、風土の恵みを受けて発展を遂げた企業の一つ。霧島連山をくぐり抜け、適度なミネラルを有する天然水「霧島裂罅水」(きりしまれっかすい)を原料につくられる焼酎は、いつしか「芋焼酎と言えば霧島」と言われるほど、広く全国に知られるようになりました。また1950年代半ばには、それまで乙類焼酎として認識されていた焼酎を「本格焼酎」と提唱するなど、焼酎メーカーとして先進的な取り組みを行ってきたことでも知られています。


長年の信頼が導入の決め手

2003年頃から始まった焼酎ブームにも背を押され、年々増加しているという需要に対し、霧島酒造ではこれまで本社工場(1963年落成)、志比田工場(1986年落成)、そして志比田増設工場(2006年落成)の3工場で生産に対応してきました。しかし長く稼働している工場の老朽化が進み、メンテナンスの必要性が浮上。生産量をキープするため、2011年11 月、新たに本社増設工場が竣工しました。いずれの工場でも、グルンドフォスポンプが活躍しています。

「初めてグルンドフォス製品が導入されたのは、本社工場です」と言うのは、本社増設工場の立ち上げに際し、設備面を担当した櫻井斉さん。

「生産量の増加に対応して製造能力を増設する過程で、給水ユニットとして省スペースで効率の高い、立形多段うず巻ポンプCRNが導入されたと聞いています」

その後志比田工場で給水ユニット4、志比田増設工場でも同様に2ユニットが導入。本社増設工場の給水設備でも、給水ユニットと給湯ユニットが活躍しています。

今回、新工場へのグルンドフォス製品の導入を決めた理由を、櫻井さんは「信頼性とメンテナンス性。この2点に確信があったことです」と言います。他の3工場においても生産設備に携わっていた櫻井さん。

「ラインを止めないというのは、焼酎づくりにおける第一の命題。グルンドフォスの製品はどれも、これまで故障もなく安定して稼働してくれています。前任者の先輩たちも太鼓判を押していましたし、採用に迷いはありませんでした」

また工場稼働後、櫻井さんの後任として設備メンテナンスを担当する外山陽介さんもこう言います。

「実際にこれまで製造の現場で働く中で、グルンドフォスの信頼性については確信を持つようになりました。またメカニカルシールの交換が自分たちででき、定期メンテナンスがしやすいというのも大きなポイントだと思います」

工場では地場の豊富な水資源を活かし、焼酎の仕込み水をはじめ、設備可動に必要な水はすべて井戸からくみ上げています。ここで活躍しているのがグルンドフォスの深井戸水中ポンプSP。1日に必要とされる約800トンの水を、すべて2台のSPでまかなっています。また、この中から約100tの水を再利用しています。


焼酎の成長を支える設備

「焼酎は生き物です。麹を作り、酵母を生育しながら熟成していきますから、例え私たちが倍の時間働いたからと言って、倍の量ができるわけではありません。私たちにできるのは、生育に必要な環境を整え、焼酎が自ら育つ手伝いをするだけなんです」と櫻井さん。

焼酎の製造工程は、大きく4つに分けられます。蒸した米に焼酎用の麹菌を植えつけて繁殖させ、麹をつくる「製麹」(せいきく)、麹に水と酵母を加えて発酵させる「一次仕込み」、そして一次仕込みでつくられた酒母(しゅぼ)に芋を加え、さらに発酵させる「二次仕込み」。その後ようやく、焼酎の原酒を取り出す「蒸留」へと進み、熟成期間を経て完成となります。原料となる水や芋、もろみの出来など、焼酎の味と香りを形づくる様々な要素の中で、何よりも重要なのが温度管理です。酵母の生育やもろみの発酵は温度の影響を受けやすく、季節や天候を考慮しつつ最適な温度を保つには、作り手の技術とともに設備の安定稼働が不可欠です。櫻井さんが、グルンドフォス製品を選ぶ決め手として安定稼働の信頼性を一番に挙げた理由が、ここにありました。

 

環境への先進的な取り組み

日本酒に代表される醸造酒と比べ、蒸留酒である焼酎は製造の過程(蒸留)で多大なエネルギーを必要とします。蒸留とは、アルコール発酵が終わったもろみを釜の中で沸騰させ、アルコール、香り、まるみを抽出して冷やし、凝縮して得られる焼酎の原酒をつくりだす工程です。蒸気を使って沸騰させ、その後管に通した水を使って冷却する――加熱と冷却を連続して行うために、多くのエネルギーを使用するのです。そこで霧島酒造では、この工程で得られる“副産物”を再利用するためのシステムづくりを進めています。

副産物とは、蒸留で冷却に使用される水。グルンドフォスの給湯ユニットによって蒸留に使われた水は、役割を終えた後、90℃近くの高温水になっています。そこで各製造工場では、蒸留機の脇に巨大なタンクを設置。貯蔵した温水を再度工場内に巡らせ、暖房やボイラー給水、洗浄水などに利用するシステムづくりを進めています。

さらにもう一点、特筆すべき取り組みがあります。それは、焼酎粕をエネルギーとして循環利用するシステムです。焼酎粕とは、アルコール発酵後のもろみを蒸留した後に残る液体で、芋や米などの有機物が多く含まれています。排出される焼酎粕の処理は、どの焼酎メーカーでも大きな課題とされ、以前は肥料として田畑に散布されるほか、海洋投棄するメーカーも少なくありませんでした。しかし2003年に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行」(廃掃法)が施行され、散布が禁止。霧島酒造では、法施行に先駆け、焼酎粕の有効利用に取り組んできました。

霧島酒造が採ったのは、バイオガスエネルギーとして活用する道でした。2005 年9月、26億5000万円の投資をして敷地内にリサイクルプラントを建設。メタン発酵設備を整え、焼酎粕や芋くずの粉砕物からメタンガスを発生させ、回収するシステムづくりに乗り出しました。また2011年には再度大幅な投資を行い、処理能力を倍増しています。

「現在は実用化に向けた最終段階ですが、メタンガスの回収率は高く、手応えを感じています。これが完全に実行された場合、かなりの量の熱エネルギーをバイオガスで代用できます。また、焼酎粕から出るほとんどの廃棄物も再利用することができます」と櫻井さんは笑顔を見せます。資源を有効活用するこれらの取り組みは高く評価され、2008年には第12回新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞」を受賞しました。

来たる2016年、100周年という大きな節目を迎えます。この記念すべき区切りを見据え、櫻井さんは自身の抱負をこう語ります。

「生産量の増加に伴って、新しい社員がどんどん増えています。今後も霧島酒造というブランドを守り、より一層発展させていけるよう、後進の育成に力を注ぎたいと思っています」

また外山さんも意欲を見せます。

「工場全体を見渡すと、メンテナンスが必要な箇所はまだまだあります。100周年に向けて、設備の更新に努めていきたいですね。そして今後、後輩をしっかりと育て
られるよう、自分自身も成長していきたいです」





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主題:

資源循環型の工場運営を支える グルンドフォスの給水ユニット

場所:

日本

会社名:

日本霧島酒造株式会社

CRNを活用した給水ユニット

CRNを活用した給水ユニット。洗浄や暖房など、さまざまな用途に向けて工場各所に水を巡らせている

霧島酒造株式会社 生産本部 製造部 主任 櫻井 斉さん

霧島酒造株式会社 生産本部 製造部 主任
櫻井 斉さん

霧島酒造株式会社 生産本部 製造部 主任 外山 陽介さん

霧島酒造株式会社 生産本部 製造部 主任
外山 陽介さん

焼酎粕から発生させたバイオガスをエネルギー源として動かしているボイラー

焼酎粕から発生させたバイオガスをエネルギー源として動かしているボイラー焼酎粕から発生させたバイオガスをエネルギー源として動かしているボイラー

蒸留工程を経て加温された高温水を工場内に巡らす給湯ユニット

蒸留工程を経て加温された高温水を工場内に巡らす給湯ユニット

 


【本格焼酎ができるまで】

製麹(せいきく)
麹をつくる工程。焼酎の品質は麹の善し悪しにかかってくるため、非常に大切。

一次仕込み(写真↓)
麹に酵母と霧島裂罅水を加え、発酵を進めて酒母をつくる。5日目にはアルコール度数が14%ほどに上がる。

一次仕込み

芋蒸し(写真↓)
手作業により選別された芋は一斉に蒸され、適温に冷まされて二次仕込みの窯に運ばれる。

芋蒸し

二次仕込み(写真↓)
酒母に蒸した芋と霧島裂罅水を加え、発酵を進める。アルコールがほのかに薫る二次もろみができあがる。

二次仕込み

蒸留
二次もろみを蒸留し、アルコール度数約36℃の原酒をつくる。

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お問い合わせ

問い合わせがございましたら、下記フォーマットに内容をご入力の上、送信ボタンをクリックしてください。

電話番号

中部:053-428-4760

FAX

中部:053-428-5005

ウェブサイト

http://www.grundfos.jp

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