移動式海水淡水化装置の心臓部で高圧ピストンポンプBMPが活躍

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要旨

プラントエンジニアリングを主軸として、プラントのメンテナンスや建設工事などを手がける柳田産業株式会社。2012年10月、技術力とノウハウを結集して開発された「移動式海水淡水化装置」は、海水淡水化に必要な装置が 1台のトラックにコンパクトに搭載され、非常時に役立つとして注目を集めています。その心臓部とも言える高圧ポンプに、グルンドフォスのBMPが採用されました。


「移動式海水淡水化装置をつくろう」――そのアイデアは、2011年3月11日に発生し、東北地方に未曾有の被害をもたらした東日本大震災に端を発して生まれました。震災発生時、人命救助の後に最も急を要して必要とされるのが、安全な水の確保です。人が生きるために、また住環境を整え復興の一歩を踏み出すためにも、水は欠かせません。

「プラントの整備やメンテナンスを手がける当社にとって、水の重要性は常に意識している問題です」

そう語るのは、本プロジェクトでリーダーの任に着いた、執行役員事業部長の西村晃司さんです。


【震災需要を視野に入れて】

移動式海水淡水化装置の最大の特長は、その名の通り「移動式」である点です。1台のトラックに、海水淡水化に必要なすべてのシステムを搭載し、海さえあれば場所を選ばずにその場で生産水や生活用水を作り出すことができます。

仕組みとしては、取水ポンプで吸い上げられた海水が前処理工程として精密ろ過膜を通り、高圧ポンプを経て逆浸透膜に通され、タンクに溜められます。逆浸透膜に押し込むための高圧ポンプは、装置全体の心臓部。ここに採用されたのが、グルンドフォスのBMPでした。また、送水ポンプには同じくグルンドフォスの立形多段うず巻ポンプCRNが使われています。

柳田産業では1995年1月に発生した阪神・淡路大震災を受けて、移動式海水淡水化装置と同じ車載形式の飲料水製造装置をつくった経験がありました。今回のプロジェクトは、その際の技術ノウハウをベースにスタートしました。

「当時の装置に使用されていたのはプランジャーポンプです。車載という特質上、フレーム等でポンプを固定することができませんでした。そのため振動や騒音が激しく、頭を悩ませていた問題でした」

西村さんはそう当時を振り返ります。プロジェクトのスタートと共に、飲料水製造装置の問題をすべて洗い出してグレードアップしていく中で、なんとか脈動を軽減できないかとさまざまなメ―カーのポンプを検討。そして出会ったのが、グルンドフォスのBMPでした。

これまで、グルンドフォスのポンプを数多く使用してきた柳田産業ですが、BMPを採用するのは初めて。高圧ポンプは装置全体の最重要部分とも言えるだけに、「実際に動くまでは不安もありました」と西村さんは素直な感想を口にします。


【軽量・コンパクトも必須要件】

ポンプに求められる要件は、振動・騒音の低減だけではありません。設計上重要視されたのは、必要な機能を持った上で、小型かつ軽量であることでした。

設計を担当した鎌田雄紀さんは、トラックの限られたスペースの中にすべてのシステムを納めるために、BMPがコンパクトであることが大きな利点になったと言います。

「ロスなく効率的な配置を実現するため、試行錯誤を繰り返しました。BMPは、必要十分な機能を持ち、私がそれまでに知っていたどの高圧ポンプよりも小型でした。これは、設計において大きなポイントになりました」

BMPの最大ポンプ全揚程は16MPaで、標準重量は0.2~10.2m2/h。これだけのパワーを持ちながらも小さく軽いのは、アキシャルピストンの原理を使用しているためです。

「最初は、こんなに小さくて本当に機能が高いのか、半信半疑でした」と西村さんは笑顔を見せます。

プロジェクトがスタートしたのは2011年の3月。ポンプをはじめとして搭載する機器メーカーの検討、決定、設計を経て、実際に現場での製造が始まったのは9月上旬でした。そこからは、まさに休む間もない忙しさだったと言います。設計の鎌田さん、製造に携わった藤若拓人さんたちのチームは、不眠不休で製造に取り組みます。そして約2カ月後、移動式海水淡水化装置は完成します。

「実際に稼働した時は、脈動のなさと静けさとに、全員が驚きの声を上げました」と藤若さんは話します。


【非常時に力を発揮】

完成した移動式海水淡水化装置は11tトラックに搭載され、1日に160tの淡水を製造することができます。この数字は稼働率に充分な余裕を残したもので、フル稼働すれば容量はもう少しアップすると言います。もちろん、飲料水だけでなくプラントで使用する生産水や生活用水にも対応します。

もう一つ特筆すべき点は、最適設計による柔軟性。「燃料を発電機とトラックで共有しているため、発電機で燃料が必要になった際、トラックの軽油をそのまま使用できます。また、発電機を搭載しているので、停電時にも安心です」と藤若さん。その性能ゆえ、非常時用の備えとしてプラントでの利用はもちろん、官公庁や自治体などからも注目されつつあります。

「当社のエンジニアは、皆グルンドフォスのポンプのファンなんですよ」

そう言って笑う西村さん。同社では、船舶部においてバラスト・ウォーター・システムも手がけており、そこでもグルンドフォスのポンプが活躍しています。

一大プロジェクトを終えた今、今後への抱負を「社会に必要とされるものを開発し続けたい」と声を揃えた3名。会社としての技術力とノウハウはもちろんのこと、チームの団結力とグルンドフォスのポンプから生まれた移動式海水淡水化装置。使用の裾野はまだまだ広がっていきそうです。





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主題:

移動式海水淡水化装置の心臓部で高圧ピストンポンプBMPが活躍

場所:

日本

会社名:

柳田産業株式会社

逆浸透膜の前に据えられた高圧ピストンポンプBMP

逆浸透膜の前に据えられた高圧ピストンポンプBMP

送水ポンプとして使用されている立形多段うず巻ポンプCRN

送水ポンプとして使用されている立形多段うず巻ポンプCRN

開発エンジニアリング事業部 執行役員事業部長 西村晃司さん

開発エンジニアリング事業部
執行役員事業部長
西村晃司さん

開発エンジニアリング事業部 室長代理 鎌田雄紀さん

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室長代理
鎌田雄紀さん

開発エンジニアリング事業部 藤若拓人さん

開発エンジニアリング事業部
藤若拓人さん

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