北海道のゴルフコースで散水を支えるHydroシリーズ

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要旨

ゴルファーなら、誰もが一度は経験したいと思う歴史あるコースを有する、北海道。プレイしてみれば、そのコースを彩る芝の美しさと感触に感動を覚えます。芝の状態をキープするために最も重要なのは「水」です。今号では名門といわれる3カ所のゴルフ場を訪ね、散水をサポートしているグルンドフォスのポンプを取材しました。

 本州に比べ湿度が低く、トップシーズンも爽やかな北の大地。雄大な景色を楽しみながらプレイすることのできる北海道のゴルフコースのほとんどは、常緑性が高く世界のメジャーなトーナメント会場でも導入されている、ベント芝を採用しています。ベント芝は、本州の一般的なゴルフ場の高麗芝と比べると葉先が細く、ベントグリーンでのパットは、軽いタッチで素直にボールが転がることで知られています。
しかし冬場は雪に閉ざされ、プレイシーズンが4月から11月頃までの約7カ月間しかない北海道のゴルフ場では、凍結防止対策や、春から急ピッチで行われる芝の管理に多くの苦労が伴います。
 今回訪れた3カ所のゴルフ場でも、使われているのはベント芝。この芝の状態に日々目を配り、手をかけ、常に最良の状態を維持しているのが、グリーンキーパーをはじめとする管理担当の方々です。それぞれのゴルフ場によってコースの特徴は違いますが、グリーンキーパーやイリゲーションに携わる方々の芝への思いには、並々ならぬ熱いものがありました。

将来を見据えたポンプ導入~小樽カントリー倶楽部~

 1928年にオープンした小樽カントリー倶楽部は、北海道でも最も歴史あるゴルフ場のひとつであり、道内で唯一、日本オープンを2度開催した名門コースです。
「このゴルフ倶楽部は海岸沿いにあり起伏が少ないため、設計そのものに大きな特徴はないでしょう。しかし自然の影響を受けやすく、海からの風が吹けば非常に難しいコースとなります」と語るのは、コース管理課、グリーンキーパーの敦賀さん。「なにより芝のクオリティは、どこにも負けないと自負しています。たとえば雑草がグリーンの芝に入って成長してしまうとボールの転がりに影響を及ぼすため、手作業はもちろん、ありとあらゆる方法を使って排除しています。最後のひと転がりのために譲れないところです。そして最も大切なのが、水管理です。この地域は、水は豊富なのですが土壌が砂地なため、保水力が少なく乾きやすいのです。ですから他と比較しても散水量はかなり多いはずです」
 今年3月、小樽カントリー倶楽部では、4台並列のポンプユニットを導入。1 台を予備にし、3台を稼働させています。
「将来のことを予測し、これ以上散水が必要になった際でも大丈夫なように4台を設置しました」と当時を振り返るのは、グルンドフォスのパートナー、株式会社ターフテックの日野さんです。
「かなり以前から既存のポンプも配管も老朽化が憂慮されており、どういう使い方をすればよいか、常々相談を受けていました。メジャーの大会も行われている由緒のあるゴルフ場で、ピーク時に漏水などというトラブルが起きてしまっては大変ですから。しかしさすがに限界が訪れ、今年3月にHydro MPCに入れ替えとなりました」
 イリゲーション担当の大西さんは導入について「以前のポンプは手動でON/OFFし、散水を制御していました。配管は創設以来40年使用しているため水圧調整が難しく、使い方に工夫と時間がかかりました。新しいポンプユニットを導入したことにより、時間帯で圧力を変えるプログラムも可能となったため、いまはとても楽になりました。毎日必要な流量をふんだんに使えます。しかも立形ポンプなのでポンプ室が広くなりました。さらに今後、遠隔操作を取り入れることも視野にいれています。通常、夜間に13時間の散水を行っているため、万が一の際に現場にいなくてもコントロールできるようになれば安心です」と語ってくれました。
 敦賀さんたちには近い将来、このコースで3回目の日本オープンを開催したいという抱負があります。「いつかその日がくると信じ、18ホールのグリーンすべてが同じ転がり、同じグリーンスピード、同じコンパクション(硬さ)であるよう最善を尽くしています。そのために、同じ水分量を常にキープできる状況をつくりたいですね」

緻密な散水で景観を守る~北海道クラシックゴルフクラブ~

 オールベントへのこだわりは、北海道クラシックゴルフクラブでも同じです。あのジャック・ニクラスがノースカロライナ州にある故郷をイメージして設計したコースは、地形を生かした柔らかな起伏ながら、池が随所に絡む戦略性の高いもの。同じ種類の芝を、グリーン、フェアウェイ、ティーに、まんべんなく使用しており、本州から来場したプレイヤーは、誰もがクラブハウスからの壮観な景色に感動するといいます。
「芝を常に良い状態にしておくためには、まず予防、つまり早め早めに散水することが大切です。散水のための機材や作業への投資は、乾燥で芝に問題が出た際のリスクを考えると決して高いとは思いません。大切なのは日々のチェックとデータ管理を怠らないことです」と話すのは、スーパーインテンダントの滝ヶ平さん。
 ポンプの入れ替えをしたのは2008年。以前のものは1991年のオープン以来使用していたため老朽化し、一刻を争う状況でした。その際に作業を担当したのも、日野さんです。
「シーズン中の入れ替えは無理だったため、冬期のクローズ期間の作業となりました。必要な散水量を維持しながら省スペース化を図るにはHydro MPCが適切と判断しましたが、ユニットとの配管合わせには慎重を期しました。通常は図面を見たうえで、現地確認をしながら行うのですが、他の地域と比べて量は少ないとはいうものの、積雪のため冬期の作業はできません。雪どけを待ってから一気に工事を進めなくてはなりませんでした」と顧みる日野さん。雪の影響を受けなくなったのは3月半ば。4月のオープンまでほとんど時間はありませんでした。
「以前は、散水している間に圧力が変わってしまうことがありましたが、いまは散水量にあわせて圧力を設定してしまえば、インバータ制御してくれるので安心です。制御盤も大きなグラフィックの液晶画面で見られるため、誰にでも動かしやすく、引き継ぎもしやすくなりました。ただ管理棟とポンプ室が離れているため、できれば今後、遠隔操作ができるようになるとさらに安心ですね。ゴルフ場の生命線である芝の質は、水の量で差が出ます。最も重要なことですから、散水について何かあれば、つい休日でも日野さんに連絡してしまいます。ポンプ制御についても、いつもお互いにアイディアを出しあっています」と笑顔を見せる滝ヶ平さん。
 最後に「今日のコース状況をより良くし、それを日々継続していくことが、コースの将来をつくります。ひいてはゴルフ場の経営にも関わってくるはずです。お客様に楽しんでいただくためにも、美しいコースを守りたいと思います」と語りました。

緻密な散水で景観を守る~ザ・ノースカントリーゴルフクラブ~

 ザ・ノースカントリーゴルフクラブは、青木功プロ設計・監修による北海道でもめずらしい高低差約4 ~ 6mの、なだらかなコース。クラブハウスからは18ホールがほぼすべて見渡せ、その雄大な眺望に圧倒されます。一見フラットでやさしそうですが、コースへ出ると木々でセパレートされていないため風が吹き抜け、また8つの池がプレイを難しくしており、特に最終3ホールは水のからむ名物ホールです。
 取締役コース管理部長の太田さんは「このクラブでは、トーナメントを12回連続で開催しています。北海道はシーズンオフがあるため、6月末のトーナメント開催のためには4月から約2カ月で最良の状態を作らなければなりません。林間エリアがほとんどないため、1年中日陰にならない場所もあります。風当たりも強く、しっかりした水のシステムがないと芝が乾き、状態がすぐに変わってしまうのです」と他の多くのコースとの違いを説明します。2005年に導入したポンプは、Hydro2000、北海道で第1号のグルンドフォスHydroシリーズでした。
「風に影響されるこのコース環境では送水量、送水圧力の設定はとても重要です。6年ほど前にHydro MPCに入れ替え、同時に散水量・散水時間を再計測してプログラムも改良しました。現在、まんべんなく散水できる圧力をキープできています。シーズン中にメンテナンスする必要もなく稼働しており、このゴルフ場の状況に合ったポンプを選択できたと思っています」と太田さん。
 そのすべてを担当したのが日野さんでした。以前のようなフル回転ではなく、インバータ制御により適度な出力で適正な水量がカバーできているため、省エネにもなっていると太田さんも日野さんも感じています。
 お二人の親交は厚く、太田さんは「日野さんは、北海道を知っているからこそできる提案をしてくれます。万が一トラブルがあった際の対応も迅速です。機械も機材も大切ですが、やはり人材ですね」と信頼を寄せています。日野さんも「散水システムをトータルで理解している太田さんだから、提案できることは多いです。グルンドフォスのポンプは立形で省スペースというメリットや、出力の安定感があり、満足してもらっています。今後も地元に根ざした提案でサポートしたいですね」と応えます。
「このクラブでのプレイは他と違う、と思っていただくために、コースクオリティを追い続けるのがこの仕事。100点満点の時もあれば30点の時もあるということでは、お客様を満足させることはできません。常に80点をキープし続けることが使命だと思います。悪天候などの要因があっても、ダメージを最小限に抑えられるよう作り上げていくことが大切です」と語る太田さん。
現在もキーパーの会「グリーン研究会」の顧問として、敦賀さん、滝ヶ平さんらとともに、北海道のゴルフ場関係者の交流を支えています。
 世界のメジャーな大会に負けないようなコースをつくるという意気込みで、企業の枠を超えコース管理の情報共有をしている北海道のグリーンキーパーの方々。グルンドフォスのポンプも、その思いに応えて水を支え、これからもパートナーとともに信頼関係を築きます。


 

 

 





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主題:

北の国のコースを守る人々とともに、ワンユニットで散水を支え続けるインバータ自動給水ユニットHydroシリーズ

場所:

日本

会社名:

小樽カントリー倶楽部、北海道クラシックゴルフクラブ、ザ・ノースカントリーゴルフクラブ

P5

冬期は配管の水を抜き、ポンプ室は凍結防止のため室温を一定にキープ( 小樽カントリー倶楽部)

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従来の1台のスペースに、3台が設置できた立形ポンプ(北海道クラシックゴルフクラブ)

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保護のため、冬場はポンプを取り外して管理(ザ・ノースカントリーゴルフクラブ)

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18ホールが見渡せる、ザ・ノースカントリーゴルフクラブ

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